ソラマメブログ

2009年05月19日

あの時、SecondLifeを殺したのは私

私がSecondLifeをはじめたのは、2007年1月14日。それはSecondLifeバブルと呼ばれるブームが起こる直前、もしくはそのはじまりの頃。
その頃はまだ、クライアントはフォントを仕入れないと日本語を表示できず、グリッドは頻繁にこけ、メンテナンスは恒例行事。それでも、それが "It's a SL" だと思っていた。なんというお人よしか。

しかし、時が経てば状況は変わる。日本語は標準で表示されるようになる。グリッドはこけないようになる。メンテはローリングスタートで間に合うようになる。
FirstLookはまだ標準クライアントに統合されていなかったが、それでも、見た目も改善されてきた。クライアントのバージョンアップのたびに日光の設定が変わり、それに合わせてアバターの見た目を修正する、などということもよくあった。

変化はSLのグリッドの中だけで起こったのではない。
いつの頃からか、SLはテレビで紹介されだした。

そして、本格的なSLバブルがはじまった。
日本人ユーザーは急増した。日本において、SLはブレイクした。

このバブルは大手の広告代理店によって作られた物だった、というのが現在のところ大勢を占める見方のようである。
彼らは、SLのある一面を大々的に紹介した。曰く「SecondLifeは儲かる!」。
……これは悪いことだろうか? 私はそうは思わない。

『世の中ね、顔かお金かなのよ』。逆立ちしたってこれは真実であり、多くの人の興味を引くのに、MoneyとSexに敵うものはない。
そして、SecondLifeはその二つの魅力を双方とも持っていたのだ。
宣伝屋として、それを宣伝しないのならば、無能の謗りを受けるに違いない。
彼らは立派な仕事をした。褒めよ称えよ、ハレルヤ電通・博報堂(あと読広も)!
もし、彼らが「SecondLifeはこんなにクリエイティブ!」などと言って紹介していたら、バブルは起こっていなかっただろう。

ともあれ、バブルは起こった。バブルは弾けた。
宣伝によって流入してきた人口は、定着しなかったのだ。
はたして、これは誰の責任なのだろう。

考えるまでもない。引きとめられなかった人間の責任なのだ。
宣伝屋は人を送り込むのが仕事。それから先に責任などない。

人口流入は大きなチャンスだった。
あの時、なんとかして人と企業を捕まえてさえいれば、日本人は成長期のSLにおいてマイノリティではなくなっていたかもしれない。そうなれば、もっと日本人にやさしいSLになっていたかもしれない。

だが、そうはならなかった。

その責任は、あの時、バブル以前からいたSecondLife日本人ユーザーにある。
私もそう。あの時、SecondLifeを殺したのは私。

だからもう、「わかろうともしない人がやってきた」なんて言うのは、やめようじゃありませんか。
わかってなければ、教えてやればよかったんだ。その努力を何もせず、ただ入ってくる人を眺めていたのは誰か。宣伝屋の宣伝に乗って、儲けていたのは誰か。

幸い、SecondLifeはその後、堅調に成長を続け、バブルの頃よりも日本人人口は増えているらしい。
撤退続きだった企業も、再び参入に転じることもあるかもしれない。
その時、またバブルに終わるのか、それとも新しい住民として定着するのか。
責任は、私たちにある。


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Posted by Kirin Xeno at 13:15│Comments(6)ぐだぐだ
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この記事へのコメント
私は07/1/30にSL開始していますので、あなたの言う”責任”は私にもあるかもしれないですね。

ですが、私は責任なんてちっとも感じていないですし、そんな責任を私たちSLユーザに押し付けないでいただきたいです。

責任の所在を明確にする必要もないし、そもそもSLに責任なんてないと思っています。

なぜ、あの宣伝で入ってきた人が定着していない、と言い切れるんですか?あの宣伝にのってSLにやってきた人間でも、SLに面白さ、楽しさを見つけられた人間は今のSLに残っているはずです。

それは各々がSL内を見て回り、友達ができたり、オブジェクト作成に興味を持ったりして、何かしらの”やりたいこと”を見つけたからにすぎません。

なぜ、こんなにもSLにやってきた人を定着させようとするのか、定着させることを至上と考えるのか、定着させられなかったことを悪と考えるのか、私には理解できないですが、私たちSL住人がどうあがこうとも、面白さを見つけて定着する人は定着するし、去っていく人は去ってゆきます。

面白ければ残るし、つまらなければ去る。ただそれだけだと思うんです。

私たちSLユーザにできることは、質問されたら丁寧に対応してあげること、嘘偽りなくSLの実態を伝えてあげること、面白さを押し付けるのではなく自ら面白さを見つけられるようにアドバイスしてあげることです。

これらの行為にSLユーザの義務ではないし、これらの行為に責任は生じない。責任を追及すべき行為でもない。
Posted by さざびー at 2009年05月19日 22:05
> 面白ければ残るし、つまらなければ去る。ただそれだけだと思うんです。
私はその、つまらなくて去る人を減らしたいんですよ。
現状のセカンドライフに楽しみを見出して残る人というのは、現状の面白さを見つけて満足する人です。仮にそのような人が何かをしたとしても、それは現状の拡大再生産に過ぎません。
もっと新しい何か。今と違う何か。それを手っ取り早く求めるならば、今とは違う人たちをセカンドライフに求めなければならない。
そのためには、今つまらなくて去っている人に残ってもらわなければならない。
彼らこそ、今セカンドライフにない物を求める人々です。彼らが求める物を、私たちは用意できないのでしょうか?
私が欲しいのは、そのような今セカンドライフにないものです。
私が至上と考えているのもは多様性です。
定着率はおそらく、その副産物となるでしょう。

もちろん、人に丁寧に接することは当然のことです。それは相手が新規の人であろうとベテランの人であろうと。
ですが、それだけでいいのでしょうか?

現状に満足し、今のまま、クリエイターが物を作り、ごっこ遊びで暮らすような、そんな狭い、そんな単純なセカンドライフでいいのなら、それはそれでいいんじゃないでしょうか。
私はそんなの嫌です。


ま、それに、単純に言って、人口の多さは経済活動にもプラスになりますからね! もっとうちの店にもお客さん来て欲しいですし!!
Posted by Kirin XenoKirin Xeno at 2009年05月19日 23:09
面白いと感じた人が残り、つまらないと感じた人が去る、これはSLが今よりどれほど面白く楽しく進化しても言えることだと思います。

ただ、今SLにいる私たちが新たな面白さを提案できれば、以降SLに入ってきた人でSLに残る人が増えて、さらにその人たちがSLの新たな可能性を広げてくれる。

これは、分かります。私も現状に満足し今のままでいいと思っているわけではないし、今よりもっと楽しい面白いSLになることは大歓迎ですし、そうであってほしいと思います。

ですが、そこに”責任”という言葉を付与して、さも義務化したように、SLユーザ全体にばらまくような文章が気になりました。

私にできるのは、ある程度の好奇心を持ってSLを楽しみ、ありのままのSLを伝えることであり、そこに責任は生じないと思っています。私はただSLを楽しんでいるだけですから。

あなたが勝手に責任を感じるのは構いませんが、私たちの責任にはしないでください。

(”責任”って言葉に過剰に反応しただけかもしれません、すいません。)
Posted by さざびー at 2009年05月20日 00:19
kirin先生、このブログ記事の中の
『世の中ね、顔かお金かなのよ』。逆立ちしたってこれは真実であり
・・・ というのが、どういう意味か、やっと気づきました!

“回文” だったんですねぇ (・▽・)
だから、逆立ちしたって事実、というわけですね!!

ちなみに 『任天堂がうどん店に』 も、回文だと最近知りました☆
---
まじめな話、kirin先生が出し惜しみせずものづくりのノウハウを教える
貢献をしてくださっているおかげで、SL内でものづくりを楽しんでいる方々は
たくさんおられますね、私も含めて。 (^^) 感謝しています。
Posted by sakuracchi at 2009年06月04日 02:11
第三期メガネ教室に参加した者です。
遅ればせながらこの記事に気付いたので書き込みました。
私は本職もプログラマに近いSEであり、INワールドでもスクリプトを主体としたアイテムや周辺ツールを作って販売しています。

私のメガネ教室でプリムの基本を習ってとても幅が広がりました。
少なくともメガネ教室は私がSLに留まる理由になってます、感謝!

あと、SLには日本企業が儲かる要素と一般的な日本人が楽しむ要素がまだまだ足りないんですよね。そういう意味では2007年から2008年くらいに起こった事象についてはとやかく言う必要はないと思います。

また、SLは3Dのオブジェクトを作る「超お手軽ツール」なのは間違いないです、UI等においても私が今まで見た3Dツールの中で群を抜いており、触りさえすれば誰でもそれなりに使いこなせます。(数値入力I/Fについても)
それからUIがなんとなくAMIGA系の流れを汲んでるのも私は好きですね。
もちろんスクリプト言語LSLとそのAPIも同様にそう思ってます。

また出会う機会がありましたら宜しくお願いします。
(卒業課題まだやってないしぃ~)
Posted by Himeko at 2009年10月17日 14:26
あんた、さってもいいよwww
Posted by ff at 2009年11月01日 14:36
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